必読!『誰が世界を支配しているのか?』ノーム・チョムスキー著/双

私はときどき、「必読!」とタイトルの頭につけて、こちらのブログで本の紹介をすることがあります。

どのくらい「ときどき」かと言いますと、前回ご紹介したのは、
2016年1月7日 『典獄と934人のメロス』
http://d.hatena.ne.jp/Fukuda_Kazuyo/20160107/1452163269
その前が、
2011年11月20日 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
http://d.hatena.ne.jp/Fukuda_Kazuyo/20111120
その前はありません。

つまり、ブログ開始から十年近く経つのですが、その期間にたった二冊だけ、「必読!」書をご紹介したわけです。

もちろん、誤解のなきよう書き添えておきますが、この世に素晴らしい本、読むべき本は山ほどあります。
素敵な本に出会った時には、TwitterFacebookで、時おり「これ面白かった!」「良かった!」とお薦めさせていただいております。
ですが、私の「必読!」書は、それらとは少し違うのです。

何が違うか。
それは、著者の熱量です。

「これだけは書き残しておかなければ、死んでも死にきれない」
そんな著者の情熱が、痛いくらい伝わってくるのです。

今回、二年ぶりに「必読!」と銘打つのは、こちら。

『誰が世界を支配しているのか?』(ノーム・チョムスキー双葉社)です。

ええそう、間違いではありません。あの「生成文法」のチョムスキー先生です。
私はこのタイトルを見たとき、
ノーム・チョムスキーという人がふたりいるの?」とまず考え、それから
「えっ、チョムスキー先生、陰謀論みたいな本を書くの?」
と驚いたのでした。ある意味、怖いもの見たさで読み始めてみて感じました。

ああ。チョムスキー先生が、怒っている。

とてもとても冷静に書かれた文章ではあります。ですが、その行間から立ち上がる熱気。怒りのオーラ。
もう、めちゃめちゃに怒っておられる。
おまえたちはどうしてまだ気がつかないのか。
これほど言っているのに、そんなに奴隷のままでいたいのか。
世界がこれほど狂わされようとして、破滅の道を歩んでいるのに、このまま放置するのか。
怒りの声が伝わってきます。(チョムスキー先生は英語だけど。私の耳には日本語で届きましたw)

陰謀論などではなかった。ほとんどが、すでに公開されて誰にでもアクセスできる情報にもとづく、「世界の正しい見方」について書かれた真面目な本だったのです。

正直、それでもまだ私は、「先生、ちょっと深読みしすぎではないか」「そこまで米国はひどくないんじゃないか」
「昔はそうだったかもしれないけど、今はマシになったんじゃないか……」
と、心の中で必死に抵抗していました。
世の中が、一部の人間が、そこまでひどいと思いたくなかった。
ですが、ふとわが国で起きているさまざまな現象を振り返ってみた時に、愕然としたのです。

「これ、まさに今の日本でも起きていることじゃん……」

長くなりました。
「必読!」編、まさかの(初の)前後編に突入です。よろしければ後編もぜひお目通しください。

誰が世界を支配しているのか?

誰が世界を支配しているのか?